1.書籍情報
黒川通彦、他著、日本経済新聞出版、2021年8月発行、256ページ
2.購入した経緯
以前読んだアビームコンサルの『DXの真髄』と比較してみようと思い購入。
3.読書メモ
書きたくて書いているというよりは、ノルマとして書いているという印象。「はじめに」は非常にうまくまとめられていて期待値があがったが、本章以降は読むのがつらくなる。
また、「圧倒的な〇〇」「抜本的に△△する」といった空虚な強調表現がよく出てくる。自分の勤め先の会議資料に似ている。
■「DXの本質とは、「生き残るための自社の企業文化の破壊と創造による企業価値の向上」だと考えます。」(5ページ)
■「大きなカギは、デジタルによって自社のビジネスをどう変えていくかを考える役割、つまりブレインとなる役割を、ITベンダーからユーザー企業側へと取り戻すことにあるでしょう。」(104ページ)
■日本企業の4つの課題:①経営陣の同床異夢、②デジタル人材不足、③レガシーシステム、④失敗が許されない文化(アンチ・アジャイル)」(127ページ)
■「2012年のハーバード・ビジネス・レビューにおいて、データサイエンティストは21世紀で最もセクシーな仕事として注目を浴びました。しかし2018年には、同じくハーバード・ビジネス・レビューで人材として重要なのは、データサイエンティストではなく、むしろ「トランスレーター」となっています。 トランスレーターとは、デジタル・アナリティクスと事業ニーズの間をつなげることで、事業変革を推進できるスキルを持った人材です。通常、ビジネスや業界の知見を保有し、現場のペインポイントを理解したうえで、デジタル技術を活用することで、どのような問題をどう解決できるかを設計できる人となります。(中略)これが、DXにおいて各企業で最も不足しているデジタル人材の正体です。データサイエンティストでもエンジニアでもなく、本当に不足しているのは、事業もデジタルもわかり、その両者の間を通訳してつなげることができるトランスレーターなのです。これは自社の業務プロセスを深く理解している従業員をリスキルし、デジタル・アナリティクスの知識を補強することで育成するのが効率的です。」(132ページ)
4.購入前の自分に薦めたい度
★★★☆☆(5段階中3)