『数値化の鬼』

数値化の鬼 読書メモ - ビジネス

1.書籍情報

安藤広大著、ダイヤモンド社、2022年8月発行、288ページ

2.購入した経緯

前作の『リーダーの仮面』がよかったため購入。

3.読書メモ

今回もらしさ全開でよかったが、一冊の本のボリュームにするために無理やり膨らませている感あり。普通に書けば100ページ程で終わると思う。以下、幾つかメモ。

■「今の一流のアスリートを思い浮かべてください。 彼らは、自分から「こう見られたい」という自分らしさを出しているわけではなく、数字を追った結果、振り返ると個性がにじみ出ているのです。(中略)数字を追いかけ、ふと振り返った時に初めて「あなたの強みは〇〇ですね」と、自分らしい個性が出るのです。その順番を間違えないでください。」(24ページ)

■「誰かに伝える段階では、数値化させることが有効です。 感情にうったえかける表現は、最後の味付けのようなものです。(中略)もちろん、人間ですから数字だけで動かない面もあるでしょう。そこで最後に熱を伝える…、というのが正しい順番です。あくまで数字が先です。」(50ページ)

■「疑問に思うことを1つ1つ確かめている人より、与えられたことを素直にやる人のほうが仕事は上達します。 まずは、体に覚えさせてしまう。そして、成長したあとに、それを疑ってみる。(中略)素直にやってみて、やりながらうまくいかない理由を考える。そういう姿勢を身につけましょう。(94ページ)

■「プレイングマネジャーであっても、個人の実績は評価せず、組織やチームの実績だけを評価するようにします。(中略)「自分の成績」と「部下の成績」を別のものとして考えてしまう。これは会社にとって非常にマイナスな状態です。「自分がやろうと部下がやろうと、売上は売上だ」と考えられる状態にしてしまえば、管理職は部下を指導して成長させることにメリットを感じることができます。 部下が稼いできてくれて、自分はどんどんヒマになる。それがまさにマネジメントのゴールです。」(114ページ)

■プレーヤーとして仕事をこなしていくと、その内勘所が分かってきて、「これは失敗するな」と思うことも増える。人間の脳はうまくいく可能性より失敗する可能性に重きを置くので、自然と「どうせうまくいかない」「あのパターンはだめだ」というように評論家になっていく。それを避けるため、プレーヤーは次のステージとして出世して管理職になっていくが、出世できないと「評論家のようなプレーヤー」になるしかない。こうして「働かないおじさん」が生み出される。(133ページ)

■評価にゼロはない。プラス(良い)かマイナス(悪い)。多くの日本の会社では一度上がった給料が下がることはないが、これが成長を止める元凶。マイナスの場合は給料にも反映されるべき。この制度を取り入れると、「現状維持はヤバい」という意識が生まれる。「ダメだった=ゼロ」としてしまうと、ダメで当たり前であり、現状維持してもいい感覚になる。(145ページ)

■仕事の成果を出すためには、「変数が何か」「どこに変数が隠れているのか」を試行錯誤して見つけ出さないといけない。いくら努力しても変えられない部分である「定数」はさっさと諦めること。(168ページ)

■本書で述べてきた「順番」
・数字の成果→自分らしさ
・数字の根拠→言葉の熱量
・まずやってみる→理由に納得する
・チームの利益→個人の利益
・行動量を増やす→確率を上げる
・長期的に考える→逆算して短期的に考える
(276ページ)

■「その感謝の内容は、「つらいときはいつも励ましてくれました」というものでは決してありません。 「自分には『何が足りていないか』を常に明確にしてくれました」 そんな現実的な言葉です。」(286ページ)

■「「識学」そのものも、表面的には人間味がなく冷たい内容に見える人もいるかもしれません。 しかし、何よりも「人の成長」を最優先に考え、1人1人の未来を考えた結果、「厳しく向き合うこと」こそが本当の人間味のあることなんだ、ということは知っておいてもらいたいと思います。」(287ページ)

4.購入前の自分に薦めたい度

★★★☆☆(5段階中3)

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