1.書籍情報
瀧本哲史著、星海社、2022年6月発行、288ページ
2.購入した経緯
突然発売されていることに気づき、瀧本ファンとして購入。
3.読書メモ
単独で単行本化されていない瀧本さんの著作物をまとめた本。7割は「ケースで学ぶ 実戦・起業塾』(2010年8月発行)の瀧本さん担当章の抜粋。エンジェル投資家である瀧本さんの知見をまとめた、論理的かつ実践的な内容で、今でも通用する。ただ、出てくる事例がどうしても古くなってしまっており、今では類書も多数存在するなか、あえて今この本を買う理由は乏しいように思う。自分のような、瀧本さんの文章を読みたい瀧本ファン向け。
■「往々にして、新しい優れたアイデアを考えるのが得意な起業家は、それを実現するある種の地道な活動を軽視しがちである。その結果、企画倒れ、計画倒れに終わってしまう。この手の企業でありがちなのは、オペレーションの構築に苦労すると、起業家が現実逃避し、「また、おもしろいアイデアを思いついちゃったんだけど……」などと”永遠の企画会議”を続けてしまうケースだ。(38ページ)
■「投資家の世界では古くから「ビジネスではなく、人に投資せよ」と言われている。事業アイデアは実は模倣が容易であり、それを実行する人材の質が究極の競争優位性の源泉と言える。こうしたチームメンバーを短期間で集められるかどうかが、起業家としての能力、あるいは創業初期に投資する投資家の能力として問われることになる。 以上のような条件はあるものの、やはり正しい事業機会を選択していることが前提であることには、何ら違いない。」(42ページ)
4.購入前の自分に薦めたい度
★★★☆☆(5段階中3)