1.書籍情報
ジェームス・W・ヤング著、CCCメディアハウス社、1988年4月発行、102ページ
2.購入した経緯
イノベーション創出系の本の原典のため。
3.読書メモ
102ページの半分は解説のため、本体部分は1時間もあれば読み終わる。上記の通り、イノベーション創出系の本の原典であり、後に続く本は極端な話、本書を膨らませて書いているだけとも言える。
■「私はかつて一度、美しい貴国を訪れたことがあり、貴国の産業の驚嘆すべき進展にその後もたえず関心をいだきつづけてきましたので、この小著が日本語で出版されることは私にはまことによろこばしいことであります。 一国の国富というものは、その国のもつ天然資源によりも、国民のエネルギーとアイデアにより多く依存するものだということを、日本は世界に向かって証明しました。」(9ページ)
■「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもないということである。」(28ページ)
■「既存の要素を新しい一つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才能に依存するところが大きいということである。」(28ページ)
■アイデアの作られる全過程(34ページ)
①資料集め:当面の課題のための資料と、一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料
②心の中でこれらの資料に手を加える
③孵化段階:意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる
④アイデアの事実上の誕生
⑤現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる
■「アイデア作成のこの第三段階に達したら、問題を完全に放棄して何でもいいから自分の創造力や感情を刺激するものに諸君の心を移すこと。音楽を聴いたり、劇場や映画に出かけたり、詩や探偵小説を読んだりすることである。」(48ページ)
■「それ(=④の段階)は、諸君がその到来を最も期待していない時(中略)に諸君を訪れてくる。」(49ページ)
■「私(=解説者)の考えでは、①好きなことをやり、②それで食べることができ、③その上それが他人のためにもいささかの役に立った人生が自己実現の人生であり、理想の人生である。」(87ページ)
■「スポーツのルールにしても同じことだが、人間はわざわざ好んでこうした不自由な約束ごと、<アイデア>を想像して精神や行動の自由を束縛するが、そこからこそ抗しがたい魅力、深い喜びが生まれる」(95ページ)
4.購入前の自分に薦めたい度
★★★★☆(5段階中4)