『ジャパンアズナンバーワン』(新版)

ジャパンアズナンバーワン 読書メモ - ビジネス

1.書籍情報

エズラ・ヴォーゲル著、CCCメディアハウス、2004年12月発行(初版の発行は1979年)、335ページ

2.購入した経緯

いつか読んでみたかった名著。アマゾンのオンデマンドで購入。

3.読書メモ

「アメリカ人のために書かれた警告の書」(日本人を得意にするために書かれた本ではない)

訳者あとがきにちょうどよいサマリーがあるので以下抜粋。
「ヴォーゲル氏は世界の先進諸国の中で、日本が脱工業化社会の直面する諸問題を最も巧みに処理していること、しかも、その成功は単に経済面にとどまらず、教育、福祉、防犯と社会全般にわたっていることに着目した。そして、なぜ日本がそのような成功をおさめることができたかを子細に検討して読者に示し、それが日本人の伝統的国民性、古来からの美徳によるものではなく、日本独特の組織力、長期的展望をもつ計画・政策、そして集団としての知識収集力によって、意図的にもたらされたとの結論に達するのである。そして、それがいかに官僚機構、会社組織、政治の中でいかされているか、また教育、福祉、防犯などの分野における成功につながっているかを、具体的に説明している。」(319ページ)

また、購入したのは2004年発行の新版であることから、その後なぜ日本が落ち目になったのかについて、「復刻版によせて」のパートで書き加えられている。以下にポイントを抜粋。

①「高い生活水準とかなり快適な生活を享受するようになった日本人が、かつての「ハングリー精神」を失ってしまったから」
②「人口構成が急激に高齢化していること」
③「グローバル化と国際的組織が増加する時代に、日本のような鎖国的な国は、緒方貞子、大和田恒、明石康、船橋洋一のような英語に堪能で国際会議でもリーダーシップを発揮できる人間をもっとたくさん必要とする、ということ」
④「日本が先進国に追いつくためには非常に有効であった幾つかの制度が、追いついた後、グローバル化が加速されている時代の日本にとっては不適当な制度と化してしまったこと」

なお、個人的には、戦争に負けて悔しい思いをした戦前派・戦中派の方々が、現役から引退してしまったことが大きいのではないかと考えている。(1945年に20歳だった方は、バブル崩壊の1991年では66歳)

4.購入前の自分に薦めたい度

★★★★★(5段階中5)

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