1.書籍情報
岡田洋介著、ぱる出版、2023年9月発行、208ページ
2.購入した経緯
本屋で平積みになっていた。軽く立ち読みしたところ、面白かったため購入。
3.読書メモ
もっと早くこの本に出会いたかった…
■評価=実績÷期待。期待がなければ、評価はできない。(7ページ)
■評価される人は、評価結果は自分の力で変えることができると捉えている。評価されない人は、いくら頑張っても、評価結果に自分は影響力がないと諦めてしまっている。(28ページ)
■上司が期待していないことを、部下が力を入れても評価されない。それはただの自己満足。(上司が期待していることか否か、部下が力を入れていることか否かの4象限マトリックスで考える。)(32ページ)
■いくらきちんと評価基準を作っても、評価するのは人。基準の解釈は上司次第。評定会議でも、表面上は評価基準をもとに部下の評価根拠を説明するが、結局は、自分のために働く社員を引き上げようとする。(34ページ)
■評価が劇的に変わるマインド:
①仕事の直接の発注者は上司であり、上司が一番のお客様。ボス満足度が最優先。それが上がるポイントを理解すべき。例えば、正確にきっちり進めることを好む人もいれば、頻繁にやりとりしたい人もいる。新しいアイデアや挑戦が好きな人もいれば、地道に積み上げるのが大切だと思う人もいる。期待する結果は同じでも、そのプロセスで期待することはまちまち。そのプロセスも評価に影響する。
②アピールは最重要の仕事。上司に伝わるまでが仕事。通常の報告は当然行った上で、アピールまでしている人が評価が高い。実績のファクト以外にも、挑戦したことや工夫したこと、行ったことの意義なども伝える。(37-44ページ)
■上司から応援される(贔屓にされる)方法:①上記の目標達成を応援する、②上司のこだわりを尊重する(人間関係を大切にしたい、分析や根拠を大切にしたい、ミスがないことを大切にしたい、など)(50ページ)
■目標設定の際に評価を高める質問:「上司である〇〇さんの目標達成のために、私ができることは何ですか?」
上司に寄り添う姿勢が必要。上司は部門目標を課せられており、プレッシャーを感じており、部下に高い目標を課してくることがある。一方、部下に高い目標を課したらモチベーションを下げてしまうのではと不安も感じている。(53ページ)
■上司との関係性は自分が鍵を握っている。自分から距離を近づける必要がある。上司の良いところ探しの他、ダメなところ(=苦手分野)をリストアップするのも有効。その苦手分野の中で自分がサポートできることは何かを考える。上司といえども、弱みをなくすことは、強みをなくすことに近く、簡単ではない。そこを、自分の強みでサポートする。(59ページ)
■強みの裏返しが苦手分野となることが多いため、自分が上司と正反対の性格や仕事の進め方の場合には、その行動自体が上司をサポートする形になる。上司との対話の中で、上司の苦手分野を自分がサポートすると宣言すれば、上司にとって自分は不可欠の存在となる。上司の苦手分野が自分の苦手分野と重複している場合は、他の苦手分野にも焦点を当て、相対的に自分ができることを見つけることも大切。なお、上司の苦手分野が全く見つからないという場合はラッキーで、上司の得手不得手と自分のそれが似通っているということなので、自ずと上司から評価されやすい。(61ページ)
■上司は、自分の上司には自己アピールしづらいことがほとんど。そんな状況だからこそ、部下が上司への日頃の感謝を、その経営層や上長に伝えるという行動が非常に意味を持つ。経営層が上司に「君の部下が、君に感謝していたぞ」と言うことは上司にとって大きく、上司はその部下に感謝することになる。返報性の原理により、自分に感謝してくれている部下の評価が高まる。(68ページ)
■上司は周囲からほとんど褒められない存在。上司に贔屓にされ、応援されるには、まずは上司を応援すること。返報性の原理にもかなう。結果だけを褒めるのではなく、プロセスを褒めるのが効果的。(79ページ)
■上司にとって評価に文句を言う部下は、面倒くさい部下でしかない。だが、どうしても評価に納得がいかない場合は、上司の立場を踏まえて対話をきちんと行う。タイミングは、期末ではもう変更が難しいため、その前段階である日常から上司と対話をする。ここでいう対話とは、上司が期待することを言葉にしてもらうこと。期待値(目標)があるからこと結果の評価が可能になる。(86ページ)
■上司には何をもって成果というのかを部下に提示する義務がある。その成果を遂行するのは部下の役割。個々人の成果の積み重ねを部門成果につなげるのは上司の役割。(90ページ)
■個人の目標(成果)を明確にできれば、部下がリモートワークできちんと働いているかは成果で管理ができる。(90ページ)
■上司はリモートワークで部下の状況が見えないことに不安を持っている。不安があるときちんとした評価ができない。だからこそ「上司を不安にさせてはいけない」。その際に有効なのが報告。報告というのが重ければ、日々の雑談と捉えてもよい。(91ページ)
■「「アピール」とは、自分のことを一方的に伝えることではなく、相手の期待や要望とすり合わせていく共同作業だということです。先ほどの面接の例では、事前に企業の求める人材像を調べておけば、一方通行での自己アピールは回避できます。しかし、これが人事評価になると、多くの方が、「俺が俺が」になりやすくなっているのが実情です。上司と部下の関係の場合、上司が求めている期待や要望に沿ったアピールをすることが大切です。」(116ページ)
■「中にはアピールが苦手な人もいるかもしれません。謙虚な性格の方は自分のやったことに対して「アピールするほどでもない」と思いがちです。実はちょっとした気遣いや行動もアピールになります。例えば、上司が実績よりもそこに行きつくまでの過程を重視するタイプであった場合、自分の業務について適宜進捗を共有するというのも、立派なアピールになります。」(117ページ)
■評価面談は2つのことが行える場:①成長する場、②感謝をする場
②について、評価されてもされなくても、感謝をたくさんしている人ほど活躍し、評価が高くなる傾向がみられる。以下の例では、後者の方が上司に響く。
「頑張ってみましたが、結果を出すことができませんでした」
「結果は出ませんでしたが、〇〇さんのおかげで、ここまで頑張ることができました」(119ページ)
■「失敗を伝えると評価が下がると私たちは思いがちです。でも、上司の目線からすると、失敗だけを捕まえて、評価を下げることはほとんどありません。なぜなら、失敗は挑戦の結果だからです。50%は失敗するから挑戦です。上司もそれは理解しています。失敗を嫌がるのではなく、失敗から何も学ばないこと、失敗を未来の糧にしないことを残念に思います。ですから、失敗は隠さず、そこから学んで未来にどう活かすかを堂々と語りましょう。念のため補足しておくと、失敗とミスは違います。失敗は挑戦の副産物、ミスは注意すれば回避できるものです。ミスは減らしましょう。」(126ページ)
■上司に評価してもらうには日常のアピールが大切。評価のタイミングで突然にアピールしても嫌らしい。「定期的に上司に相談する」のが効果的。週に1つでも威力を発揮。上司は誰からも褒められないし、認められない。相談するとは頼ることであり、頼られると上司の承認欲求は満たされる。ただし、重たい相談ばかりだと上司も疲弊するので、軽い相談でよい。頻度の方が大切。(135ページ)
■上司から受けたアドバイスは、即日実行・翌日報告。上司は頼られていることを強く実感する。(138ページ)
■「じぶん評価基準」をつくれば、会社評価に一喜一憂しなくなる。自分が大切にしたいキーワードを見つけることが必要。例えば、あるウェブライターのキーワードは「整える」だった。「文章を書くことは何が楽しいのか」と尋ねると「ごちゃごちゃになっていた情報を文章として整えることで、人に伝わる形になるのが楽しい」との返事。この場合「整えるのが楽しい」という言葉が、自分らしさにつながるキーワード。(143ページ)
■「3:1:1のバランス」=収入のための仕事3:成長のための仕事1:やりがいのための仕事1(149ページ)
■目標を達成する人は目標達成に必要なことに時間を使っている、というのがシンプルな事実。達席できない人は能力不足や忙しいことを言い訳にする。どうでもいい仕事ばかりをして、仕事をしたと錯覚している。(186ページ)
4.購入前の自分に薦めたい度
★★★★★(5段階中5)