『コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル』

コンサルティング会社完全サバイバルマニュアル 読書メモ - ビジネス

1.書籍情報

メン獄著、文藝春秋、2023年3月発行、304ページ

2.購入した経緯

本屋で平積みになっていたのでパラパラと読んでみたところ面白そうだったので購入。

3.読書メモ

アナリスト時代から始まりマネージャーに至るまで、内容が徐々にステップアップしていくのがよい。上の人が何を考えているか分かるようになるので、特に若手に読んでもらいたい。

また、読み物として純粋に面白い。

■「「”速い”はそれ自体が重要な価値だ」とヤマウチに叩き込まれた。かつてのコンサルタントは上司からよく「自分の時間あたりの単価がいくらかわかってる?」という強烈な圧をかけられながら作業をしていた。」(34ページ)

■「彼の口癖は「論点はなんなんだ?」「仮説はあるのか?」だった。多くの相談者たちは、藤木さんに「正しい問いを立てられていない状態で話すことは何もない」と言われ、追い返されるのだった。(中略)「論点の設定が悪いから会議が紛糾するし、出席者が自由に発言する場になってしまっている。アジェンダがソリッドじゃない。もっと研ぎ澄ませ」と藤木さんから愛のある激励を受けた。」(102ページ)

■「コンサルタントの仕事は、「正解はこの辺にあるんじゃないか」「この辺りがプロジェクトの決着となる場所なのではないか」という仮説を事前に立てて仕事をするのが一般的だ。(中略)内田和成の著書『仮説思考』はすべてのコンサルタントの教科書となるため、必ず読んでおきたい一冊だ。この本を読まずしてコンサルタント業務を行うことは、ルールを知らずに野球をしている状態に等しい。」(113ページ)

■「できるようになった一つひとつのことは、どれも些末で些細で、できて当たり前のこと。しかし、このできて当たり前のことがしっかりとできる人間である、ということを自覚でき、周囲にも認識されるようになると、任される仕事の内容も少しずつ高度になっていく。そしてまた高度な内容の仕事に慣れていくことで、それが当たり前になっていく。(中略)毎日毎日、少しずつの工夫と徹底した継続を行うことで、3ヶ月から半年、あるいは1年という時間の中で、できるようになったことをやっと実感できるようになるのが仕事における成長だ。成長のためには、息の長い持続可能な働き方こそが大切なのだ。」(142ページ)

■「ある程度の期間一緒に働く部下には、なるべく自分自身の仕事の”型”を多く覚えてもらい、戦力となってもらおう。細かい作業の指示をせずとも、自分自身でできることを少しずつ増やしてもらうことで、長期で見ると自分自身の作業を大幅に減らすことができる。」(229ページ)

■「チームの全員に英語学習と読書、そして感想のアウトプットを強く推奨し、LinkedInのプロフィールに英語でレジュメを公開させ、自分自身が一体何ができ何ができない人間であるのかの”価値の可視化”を強く求めた。」(262ページ)

■「彼は「ないものを求めすぎようとしてはいけない。この会社でマネージャーになったということは、既に何かしらの能力があるのは間違いない。問題は勝てる場所で戦えていないことなんじゃないだろうか」と新しい示唆を与えてくれた。(中略)安木さんの言う通り、私は何もできないわけではない。ただ、自分自身ができること・得意とするところの言語化をサボって、勝てる場所を見定められていなかったのだ。短所のみならず、長所を捉え直し、私が自信を持って活躍できる方法を人に伝わる言葉にしていった。」(265ページ)

4.購入前の自分に薦めたい度

★★★★☆(5段階中4)

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