『ニュータイプの時代』

ニュータイプの時代 読書メモ - ビジネス

1.書籍情報

山口周著、ダイヤモンド社、2019年7月発行、352ページ

2.購入した経緯

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』に感動してまとめ買いした山口周シリーズのひとつ

3.読書メモ

いつもながら論考が読んでいて面白く、以下メモ多数。

■「日本の迷走は「問題の不足」が原因」「日本のビジネスリーダーはこれまで長いこと「問題を解く」ことに長けた人々ではあったのですが、そもそも「問題を自ら提起する」ということをやった人がほとんどいなかった」(44〜45ページ)

■「「こういう問題が解決できたら素晴らしい」「こういうことが可能になったら痛快だ」という具体的な「解決したい問題」が明確にあり、それを解決するための手段がたまたま画期的なものであったために、周囲から「イノベーション」と賞賛されているだけで、元から「イノベーションそのもの」を目指していたわけではないのです」(50ページ)

■「ケインズ自身も、1日3時間労働が実現すると、余暇に耐えられない多くの人によって、余った時間を埋め合わせるための「実りのない仕事」が生み出され、そして多くの人は、それらの仕事のあまりの「実りのなさ」に耐えられず精神を病んでしまう、ということを予測していたように思います」(80ページ)

■「人が発揮する能力やコンピテンシーは、その人に対して与えられた「意味」によって大きく変わってしまうからです。(中略)なんの「意味」も与えられていない状態で動機付けされていない人を評価すれば、その人が発揮している能力やコンピテンシーが低く評価されるのは当たり前のことです。 昨今では「部下がだらしない、使えない」と嘆いている管理職がどこの組織でも見られますが、(中略)本当に嘆くべきなのは「部下を動機付ける『意味』が与えられない」自分の不甲斐なさであるべきでしょう」(87ページ)

■「重要なのは人間性=ヒューマニティとマーケティングの主従関係です。(中略)まず「世の中にこういうものを打ち出したい」という人間の想いが起点となり、その想いを実現するための道具として用いるのであれば、マーケティングの知識とスキルは極めて強力な武器となるでしょう」(98ページ)

■「短期的な生産性を高めるためにはエラーも遊びも排除して、ひたすらに生産性を高めるために頑張るのが得策かもしれませんが、そのようなことを続けていれば中長期的な視点で飛躍的に生産性を高めるための偶然の発見はもたらされないということになります」(158ページ)

■「無意味な量的向上による生産性低下」(例:テレビのリモコンにある膨大な数のボタン)(178ページ)

■「ある程度安定した職業を片方で持ちながら、どこかで大化けするアップサイドのリスクを人生に盛り込んでおく、というのがタレブのいうバーベル戦略だということです」(198ページ)

■「多くの場合は「内発的動機に駆動されるアマチュア」に「上司からの命令で動くエリート」が完敗する」(例:アムンセンとスコットによる南極点到達レース)(219ページ)

■「一般に、企業における大型のイノベーションプロジェクトでは、それまで高い実績を挙げてきたエースが投入されるケースが多いでしょう。 しかし、こういった「高い業績を継続的に挙げてきたエース」が、必ずしも内発的動機に駆動されているとは限りません」(220ページ)

■「危機に直面した生物は「戦う」か「逃げる」のどちらかの選択を瞬時にします。では人間はどうかというと、多くの場合はこの2つのオプションを取るよりも「じっと耐える」「なんとか頑張る」という選択をします。 多くの人間が採用するこの選択肢を選ぶ動物がいない理由はなんだと思いますか。実に単純な話でそのような選択をした生物は絶滅してしまった、ということです。つまり、危機に際して「じっと耐える」とか「我慢してやり過ごす」というのは、個体の生存という観点からは非常に不利な「悪いオプション」だということです」(254ページ)

■「重要なのは、よく言われるような、のべつまくなし「常識を疑う」という態度ではなく、「見送っていい常識」と「疑うべき常識」を見極める選球眼を持つ、ということです。そしてこの選球眼を与えてくれるのがまさにリベラルアーツということになります」(285ページ)

■「経営学というのは極論すれば、経営における状況と対処のパターンを数多く擬似的に経験するための学問です。だからこそMBAという学位は、その個人が持っている「経営上のさまざまな状況や問題に対応するパターン認識の能力」を保証するものとなり、労働市場において高い評価につながったわけです」(301ページ)

4.購入前の自分に薦めたい度

★★★★★(5段階中5)

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