1.書籍情報
ミニマリストしぶ著、KADOKAWA、2022年3月発行、264ページ
2.購入した経緯
この手の本が好きなので購入。
3.読書メモ
奇を衒った話はなく、スタンダードで読みやすい。ところどころに名言がある。
■「本書では「大事なことを強調するために、あえて少なくする人」をミニマリストと呼ぶことにする。」(41ページ)
■選択肢は多いほどよいと思われがちだが、科学的には逆(ジャムの法則)。選択肢が多いと人は「選ぶのが大変だ」と無気力になってしまい、その結果「買わない」という選択をする。(46ページ)
■「手ぶらは貴族のステータス」(52ページ)
■「チラシのデザインでも「高所得者に対しては”余白”を増やし、低所得者に対しては”情報”を増やす」という手法がある」(53ページ)
■「広告を表示しないアプリ「コンテンツブロッカー」で無駄な情報買いを予防」(71ページ)
■味の素の広告コピー「和食は、引き算。洋食は、足し算。」。和食は「出汁を引く」「アクを引く」「湯引きする」など引き算を連想させる調理法がベースになっている。(99ページ)
■駅近デザイナーズ四畳半マンションを探すなら「EARLY AGE」もしくは「QUQURI」(101ページ)
■制限があるから新しいアイデアが浮かぶ。俳句やスポーツ。片付けやインテリアも同じ。少ないモノで暮らす、その根本のスキルは「想像力」。(115ページ)
■「失敗談のストックが、トライ&エラーの繰り返しだけが取捨選択の精度を高めてくれる。(中略)捨てられたモノだって、持ち主の成長の糧になれたなら本望だろう。」(190ページ)
■モノの出口戦略としては、「捨てる」のではなく、「売る」「譲る」「使い切る」のどれかが理想。(205ページ)
■「リセールバリュー」と「コンフォート原則」を意識する。後者は、自分の1日を思い浮かべて、長時間使うモノ(布団など)に優先投下するお金の使い方。(209ページ)
■「生活にゆとりがあるから無駄を愛せるようになる」「僕が理想とする人生は、「生きるのに必要なコストが限りなく低く、無駄なことにも罪悪感を感じないで済む、余白いっぱいの人生」である。」(242ページ)
■「もはや「ミニマリズムを探求すること」それ自体が趣味」(246ページ)
■「余白が足りていないから、自分の好きなことや趣味に気付けていない」(247ページ)
■「多くの人は消費する幸せを好み、何かを生産することに幸せを感じられる人は少ない。」「ミニマリストの発祥が「芸術家」であったように、ミニマリズムの根底には「生産」がある。そして、誰かが作ったコンテンツを消費するだけでなく、自分で何かを生み出してみることもまた、消費への抑止力になる。」(254ページ)
■「モノを減らし、労働時間やストレスを減らしていくと、生活に余白ができる。ふとした瞬間「こういうことをしてみたいな」と思ったら、それが「あなたのやりたいこと」つまりは「本物の自分」なのだ。(258ページ)
■人間はお金や権力を握ると「美」に対してお金を使う。理由はシンプルで「楽しいから」。例えばゲームでも「回復アイテム禁止」などの「縛りプレイ」が人気。クリアするという目的を達成するだけなら縛りプレイは非効率そのものだが、多くの人が釘付けになる。縛りプレイは「芸術点」を優先した遊び。非効率だけど楽しくて、過程に感動できる。それが「美」ではないか。(260ページ)
■「「機能美」の話でも、「機能(=効率)」と「美(=非効率)」のバランスが取れた状態が、デザインであると言った。逆に、「機能」を捨てて「美」に全振りした状態は、デザインではなく「アート」であると、僕は考察している。(261ページ)
4.購入前の自分に薦めたい度
★★★★☆(5段階中4)