1.書籍情報
新井紀子著、東洋経済新報社、2019年9月発行、328ページ
2.購入した経緯
ビジネス書大賞を受賞した『AI vs 教科書が読めない子どもたち』の続編ということで購入。
3.読書メモ
読解力という切り口で、かつデータに基づいて、子どもの知的能力や教育のあり方を論じた他に類を見ない本。精神論的なものは一切ない。(AIについてのテック本でもない。)
前著は、実は教科書が読めていない子どもが多い、ということを発見したところで話が終わったが、本書は、その後開発・導入された読めていない程度を測る仕組み(リーディングスキルテスト)や、その結果分析による読解力をあげるための方策も示されており、前著より更に読む価値がある。
一番納得したのは、採用時のスクリーニングにリーディングスキルテストを導入している大企業の考えとして、暗記やAOで高偏差値大学に入ったものの、実は基礎的読解力が不足しており、法律や社内規則を正しく理解できず、悪意なくコンプライアンス違反を犯してしまいそうな人を避けたい、というところ。(109ページ)
ちなみに、収録されているリーディングスキルテスト体験版をやってみたところ、「具体的同定(辞書)」の簡単な方から3問を連続で間違えるという、おそらくかなりレアな結果に…(本書内ではそのような間違いパターンは想定されていない。) 「こういう風に考えれば定義に当てはめられる」と強引に考え出してしまう、すなわち考えすぎて自滅することがあるようだ。
4.購入前の自分に薦めたい度
★★★★★(5段階中5)