『妻のトリセツ』(紙で再読)

妻のトリセツ 読書メモ - 健康・生活

1.書籍情報

黒川伊保子著、講談社、2018年10月発行、160ページ

2.購入した経緯

以前、audiobook.jpで聴いたが、ほとんど記憶に残っておらず、紙で再読。紙の方が記憶に残りやすく、かつメモも取りやすく、自分には向いていると実感。

3.読書メモ

すべての男性の必読書。

■女性脳は記憶を感情別に長期保存し、数珠つなぎに一気に引き出す。(4ページ)

■「女性脳は、自らの身を守らないと子どもを無事に育てられないため、危険回避のためのネガティブトリガーのほうが発動しやすい傾向にある。身の周りにいる、自分より力が強い者には、特にそうなる。一方で、全身で頼ってくる小さき者にはポジティブトリガーが発動されやすい。「夫にはひどく厳しく、子どもやペットにはべた甘い」が母性の正体であって、男たちがロマンティックに憧れる「果てしない優しさ」が母性なんかじゃないのである。」(5ページ)

■「(女性は)自分の身に起こったささやかなことを垂れ流すようにしゃべり合い(これは相手への知のプレゼントなのだ)、盛大に共感し合って、相手からの「知のプレゼント」を「とっさに使える知恵」に変えて、脳にしまい込む。それが、井戸端会議の正体であって、かなり知的な行為なのだ。女が、男との会話を不毛に感じるのは、男たちが「自分の身に起こった、ささやかなこと」をプレゼントしてくれないからだ。」(24-25ページ)

■「女性は、共感されるとストレスが解消される脳の持ち主なので、共感こそが、相手の脳への最大のプレゼントなのである。つまり、女の会話とは、「日常のささやかな体験」を相手にプレゼントし、受けたほうは共感で返して、「しばしの癒し」をプレゼントする、いわば共感のプレゼント大会なのだ。なのに、男は、どちらのプレゼントも出し惜しみする。というか、子育てで疲れている妻に、会社のつまらない話なんて到底聞かせられない、という男心で、封印してしまう。さらに、男性脳にとっては、共感よりも問題解決こそがプレゼントなので、共感を端折って、いきなり問題解決してしまうのだ。」(26ページ)

■「恋に落ちる男女は、生物多様性の論理に則って、感性が真逆の相手を選んでいるからにほかならない。」(35ページ)

■「できる主婦は、台所やリビングをミリ単位で認知し、無意識のうちに完全制御している。このため、自分の置いたものを動かされたり、動線をさえぎられることに大きなストレスを感じるのである。ときには、夫でさえも入ることを嫌う。」(43ページ)

■物言わぬ赤ん坊を育てるため、女性脳には察する力が発達。「察すること」イコール「愛の証」と信じている。そんな女性脳にとって、「言ってくれれば、やったのに」というセリフは、察することを放棄した言葉であり、「僕はあなたになんの関心もない」「あなたを大切に思っていない」と同義語。(83ページ)

■「どんなに夫が準備に手間暇かけたとしても、サプライズを喜ぶ妻はほとんどいないということだ。(中略)その場に合わない(と男性は気づいていないが)服装や、完璧でないヘアやメイクの姿のまま注目を浴びることが恥ずかしいし、惨めに感じていたりする。何よりもその日を思い描きながらドレスを選んだり、美容院に行ったりする、そういう楽しみを全部奪われてしまったことが悲しいのだ。」(107ページ)

■哺乳類のメスは、自分が健康で快適な状態でないと子孫が残せない。よって、女性は自分の体調変化を男性の何十倍も敏感に把握している。寒ければ寒いと騒ぐし、暑ければ暑いと文句を言う。男から見るとただのわがままに見えるが、これは自分を快適な状態においておかなければならないという責任感からくる言動。ちやほやされたいのも同じ理由。誰よりも優先されるということは、自分と自分の子どもの生存可能性がアップする。一方、男性脳が向かっているのは自分よりも外の世界。自分の気持ちに関心がないから、自分の身内=妻にも関心が向かない。妻を自分の近くに感じれば感じるほど、関心は薄れていく。(110-111ページ)

■ちょっと手間のかかる夫が実は愛おしい。なぜなら、人の脳は相互作用によって機能しているから。自分の言動で人が変化することによって外界を認知し、自分の存在も認知する。もし完璧な夫と一緒に暮らしたら、「一緒にいる意味がない」「あなたにとって、私ってなんなの?」とつぶやくことになる。(114-115ページ)

■男性脳は比較により自分の立ち位置を把握するので「一番」と言われるのが好き。たくさんの中で比較されて「あなたが一番」と言われたら気分がいい。一方、女性脳が好きなのは、唯一無二。男から「君が一番きれいだ」と言われても、比較対象がいるだけで、なんとなく不愉快な気持ちになる。(128ページ)

■「女性脳は、決まりきった言葉を欲しがる癖がある。特に、夫のことが大好きな妻は、「私のこと好き?」「私がいないと寂しい?」と、同じ質問を繰り返す。答えは「もちろん大好きだよ」「寂しいに決まっている」と、これも定型の工程を繰り返すだけでいい。(中略)女はわかりきった定型の答えを、飴玉を舐めるように何度も舌の上で転がして楽しみたいだけなのだから。」(132ページ)

■熟年離婚の妻側からの理由に「この先もずっと、この人と一緒に人生を歩んでいく自信がない」というものがある。具体的には以下:
・夫が家にいることがストレス
・性格の不一致
・会話がない
・価値観の違い
・義理親の介護問題
・家事に関する不満
(136-137ページ)

■「女性たちは、ときどき、このたまったストレスを”放電”する先を探しているのである。そんなとき、まんまと夫が何か気に障ることをしてくれると、気持ちよーく放電できる。夫が完璧だと、その放電先が子供になったり、自分に跳ね返ってうつに転じたりして、危なくてしょうがない。いい夫とは、「おおむね優しくて頼りがいがあるが、時に下手をして、妻を逆上させる男」にほかならない。逆上されたからといって、すべての原因が夫なのではないのである。だから、原因を真面目に究明しようとして、公明正大に改善しようとしても、まったく埒が明かない。女はただ怒るために怒っている。本人も気づいていないけれど。…そう、女は、本当のところ、かなり理不尽なのである。」(145ページ)

■「昔は、怒りを爆発させることを「雷を落とす」といったものだが、ストレスの放電は、雷に本当によく似ている。なぜなら、「一番、高いところ」に落ちるからだ。夫って、なぜだろう、この世で一番腹が立つ。そういう女性は、とても多い。さもありなん。だって、それは、夫が彼女の脳の中で最も高い場所にいるからだ。最も期待し、最も求めている相手だから。つまり、理不尽な怒りもまた、愛なのである。」(146ページ)

4.購入前の自分に薦めたい度

★★★★★(5段階中5)

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